オール日本スーパーマーケット協会(オールにほんスーパーマーケットきょうかい、All Japan Supermarket Association、略称:AJS)は、日本の食品スーパーマーケットチェーン事業者による任意団体。

概要

1962年、西日本に拠点を持つスーパーマーケット15社が勉強会を立ち上げたのが活動の源流である。現在も「知恵の共同仕入れ」を合言葉にしており、数多くの研修会を開催している。また、しばしばテレビ等で取り上げられている「チェッカーフェスティバル」(レジ係の技術・接客を競うコンテスト)の主催団体でもある。その他にAJSとして様々な研修会(セミナー)の企画・実施を行っている。会員企業、賛助会員、一部のメーカーがこれらのセミナーに参加出来る。有名な所では前説のチェッカーフェスティバルに合わせて、新入社員訓練や経営研修会、各部門チーフ・バイヤー研修会等がある。

同じような組織に「CGCグループ」(シジシージャパン)、「ニチリウグループ」(日本流通産業)、「八社会」があるが、それらの組織とは異なり一般企業ではなく任意団体である。

関連会社として、プライベートブランド「くらし良好」商品の企画、販売等を行うコプロ株式会社を有する。

なお、名誉会長の荒井伸也(安土敏)は映画「スーパーの女」(伊丹十三監督)の原作者であり、映画化に際し同協会も制作に協力している。

沿革

  • 1962年7月 - オール日本スーパー経営者協会設立。西岡茂(淡路主婦の店社長、当時)が会長に就任。
  • 1965年4月 - 北野祐次(関西スーパーマーケット社長、当時)が会長に就任。
  • 1972年5月 - オール日本スーパーマーケット協会(AJS)へ改称。
  • 1973年3月 - プライベートブランド「トプコ」商品発売開始。
  • 1981年8月 - 「第1回チェッカーコンテスト全国大会」開催。
  • 1988年1月 - プライベートブランド「生活良好」商品を開発。
  • 1990年10月 - トプコ株式会社設立。
  • 1993年1月 - トプコ株式会社が「コプロ株式会社」に社名変更。「トプコ」ブランドを「生活良好」に統一。
  • 1996年6月 - 制作に協力した映画「スーパーの女」公開。
  • 1997年11月 - 北野会長、勲四等瑞宝章受章。
  • 2001年6月 - 荒井伸也(サミット会長、当時)が会長に就任。
  • 2003年4月 - 荒井会長、藍綬褒章受章。
  • 2012年7月 - 海外正会員制度を新設。海外正会員企業第1号となる「全聯實業股份有限公司」(台湾にて全聯福利中心(PX MART)を運営)が入会。
  • 2014年6月 - 「生活良好」ブランドを「くらし良好」に改名し、ロゴ・パッケージも刷新することを発表。同年9月より順次導入される。
  • 2015年6月 - 田尻一(サミット社長、当時)が会長に就任。荒井伸也が名誉会長に就任。
  • 2018年7月 - 本部移転。
  • 2019年11月 - 海外正会員企業第2号としてVinCommerce(ベトナムのコングロマリットVingroupの子会社。コンビニエンスストア(VinMart )、スーパーマーケット(VinMart)等を運営)が入会(のちに脱会)。
  • 2021年4月 - 全日本食品株式会社が正会員Aで入会。

役員

役員は会員企業の取締役社長で構成され、メンバーは年1回の定期総会及び役員会で承認される。

会員企業

現行

全60社(2024年3月現在)、並び順と地区分けは公式サイト「会員企業一覧」に準ずる。

北海道・東北

  • ダイイチ(北海道)- セブン&アイ・ホールディングスとの提携後、PB商品をセブンプレミアムへ変更し「くらし良好」の取り扱いを終了。
  • 紅屋商事(青森県)
  • キクコウストア(岩手県)
  • 丸江(岩手県)
  • マルニ(宮城県)
  • 中央市場(秋田県)
  • テラタ(秋田県)
  • マルダイ(秋田県)
  • たかき(山形県)
  • ヤマザワ(山形県)- ニチリウグループに加盟しているため、PB商品は「くらし良好」ではなく「くらしモア」を取り扱う。

関東

  • セイミヤ(茨城県)
  • かましん(栃木県)
  • とりせん(群馬県)
  • 千葉薬品(千葉県)
  • サミット(東京都)
  • スーパーアルプス(東京都)
  • 全日本食品(東京都)
  • 文化堂(東京都)
  • マルマンストア(東京都)
  • よしや(東京都)

北陸・中部・東海

  • アルビス(富山県)- AJSに加盟していた「オレンジマート」を買収した関係でCGCグループと重複加盟しているが、PB商品は従来どおりCGC商品を取り扱い「くらし良好」は取り扱わない。買収されたオレンジマートも「くらし良好」の販売を終了しCGC商品へ切り替えた。
  • ママーストアー(福井県)
  • いちやまマート(山梨県)
  • デリシア(長野県)
  • 未来堂高山(岐阜県)
  • 田子重(静岡県)
  • ナガヤ(静岡県)
  • ビッグ富士(静岡県)
  • ヤマナカ(愛知県)

近畿

  • パリヤ(滋賀県)
  • フクヤ(京都府)
  • マツモト(京都府)
  • マツヤスーパー(京都府)
  • 近商ストア(大阪府)- ニチリウグループに加盟しているため、PB商品は「くらし良好」ではなく「くらしモア」を取り扱う。
  • 京阪ザ・ストア(大阪府)
  • サンプラザ(大阪府)
  • 大近(大阪府)
  • スーパーナショナル(大阪府)
  • 関西スーパーマーケット(兵庫県)
  • イズミヤ・阪急オアシス(大阪府)

中国・四国

  • 丸合(鳥取県)
  • JAしまねラピタ(島根県)
  • 天満屋ストア(岡山県)- セブン&アイ・ホールディングスとの提携後、PB商品をセブンプレミアムへ変更し「くらし良好」の取り扱いを終了。
  • モリヤマ(広島県)
  • 丸久(山口県)
  • キョーエイ(徳島県)
  • マルヨシセンター(香川県)
  • セブンスター(愛媛県)
  • ナンコクスーパー(高知県)

九州

  • ふくや(福岡県)- 一般には辛子明太子メーカーとしての知名度が高いが、祖業は食料品店であり、福岡市内に業務用食品スーパーを1店舗展開している。
  • サンリブ(福岡県)
  • マルキョウ(福岡県)
  • エレナ(長崎県)
  • ジョイフルサンアルファ(長崎県)
  • トキハインダストリー(大分県)
  • フレイン(大分県)
  • マルミヤストア(大分県)
  • マルイチ(宮崎県)
  • ハルタ(鹿児島県)

海外

  • 全聯實業股份有限公司(台湾)
  • FUJIMART VIETNAM(ベトナム) - 住友商事が現地企業(BRG)と共同で設立した企業であり、日本国内に「フジマート」の名を持つスーパーマーケットの運営会社及び店舗が複数存在するがいずれも無関係。

主な過去の会員企業

  • 藤越 - ヨークベニマルとの提携により脱退。後に同社に吸収合併。
  • フレックス - アコレ、中部ウエルマートとの合併でフレックスアコレ(現在はマックスバリュ東海)となり、イオングループ入りに伴い脱退。
  • ナルス - CGCグループである原信との経営統合のため脱退。
  • スピナ - CGCグループの西鉄ストアにスーパーマーケット事業を分割、統合のため脱退。
  • ユース - バロー傘下入りのため脱退。
  • リベラルスーパーチェーン - CGCグループに加盟のため脱退。その後、2014年に経営破綻し、運営していた店舗のうち3店舗はマルナカに譲渡された。
  • ニッショー - 阪急(阪神)百貨店傘下入りのため脱退。(H2O配下になった後、イズミヤ・阪急オアシスとしてAJSに加盟)
  • 松坂屋ストア - 大丸ピーコックとの経営統合により脱退。
  • クイーンズ伊勢丹
  • 西原食品
  • 富士屋
  • オオサワ
  • マルカン百貨店(アルテマルカン) - 食品スーパー部門から撤退(CGCグループのマイヤに移管)のため脱退。
  • ファミリー丸広
  • 三心 - CGCグループに加盟のため脱退。
  • マルシンストア - 岡山県 1992年3月、従前より業務提携をしていたAJS会員企業の天満屋ストアの傘下となり、アイム天満屋に社名変更。2004年に天満屋ストアのグループ企業同士で合併して消滅。
  • ベルファニー - 2003年4月、CGCグループであるフレスタの完全子会社、ベル・フレスタに営業権を譲渡。
  • モリー - 2013年1月に倒産。
  • 東京ストアー - 2013年1月に経営破綻(民事再生法申請)後、CGCグループ加盟のアルビスに買収された。
  • 三原スーパー - 2013年3月、CGCグループであるフレスタの子会社となった。
  • 江南 - 2013年8月倒産。
  • よねや商事 - 2014年3月、ニチリウグループであるヤマザワにより完全子会社化。その後、2018年6月にヤマザワがAJSに加盟している(ニチリウグループ加盟は継続)。
  • オレンジマート - 2019年4月、CGCグループであるアルビスにより完全子会社化。同時にアルビスはAJSに加盟した(CGCグループ加盟は継続)。
  • エービーシー - 2014年にフジマート四国へ全店舗を譲渡。
  • キシショッピングセンター - 2015年、綿半ホールディングスの子会社となり脱退。
  • 鶴屋 - 2018年6月、業務不振に伴い閉店。
  • 高浜ママーストアー - 閉業。
  • 三幸 - 2019年2月、バローホールディングスの子会社となり、のちに脱退。
  • 片浜屋 - 2019年6月、CGCグループであるマイヤに株式譲渡。グループ会社となる。
  • コノミヤ - 2020年7月、CGCグループであるトミダヤを経営統合し、同時にCGCグループへ加盟した。
  • VinCommerce(ベトナム)- AJS2社目となる海外正会員であったが脱退。
  • オータニ - 2021年4月、CGCグループであるアークスの子会社になった後、2023年7月に脱退。
  • 西山寛商事
  • 三谷屋 - 2023年11月脱退。その後2024年2月に事業停止。

関連項目

  • 日本のスーパーマーケット一覧
  • 他のスーパーマーケット業界団体(いずれも一般社団法人)
    • 日本スーパーマーケット協会
    • 全国スーパーマーケット協会
  • 他のコーペレーティブ・チェーン
    • シジシージャパン
    • 日本流通産業 - くらしモア
    • 八社会 - Vマーク(バリュープラス)

脚注

注釈

出典

外部リンク

  • オール日本スーパーマーケット協会
  • コプロ株式会社

流通3団体概要|統計・データでみるスーパーマーケット

オール日本スーパーマーケット協会 「第61期定期総会」|食料醸界新聞社電子版

AJSオール日本スーパーマーケット協会創立55周年記念パーティー沖縄大会 沖縄県もずく養殖業振興協議会

株式会社オールマーケットジャパンのプレスリリース|PR TIMES

オール日本スーパーマーケット協会2022|食料新聞電子版