アクチニジンActinidinアクチニダインActinidain)、EC 3.4.22.14)は、プロテアーゼ(タンパク質分解酵素)の一種。主にマタタビ属の果実に含まれる。

解説

緑色のキウイフルーツやサルナシに含まれるタンパク質の50%程度を占める。消化管内での食物由来タンパク質の分解促進作用があるが、キウイフルーツアレルギーのアレルゲンのひとつでもある。キウイフルーツよる口腔アレルギー症候群の原因の場合、品種により含有量に差違があり、含有が少ないゴールデン種のキウイフルーツではアレルギーをおこさないこともある。

また、昆虫類のハネカクシ亜科は尾部分泌腺からアクチニジンを分泌する

利用例

  • 舌苔除去剤として利用される。
  • 食肉軟化酵素として利用する際は、pH6 で作用させると、筋原繊維の基本構造を維持したまま筋内膜を分解することが出来るが、pH3 で作用させると食肉タンパク質が加水分解される。従って、食肉軟化酵素としてはパパインより優れている。

類似名の物質

アルカロイドの一種にもよく似た名前のアクチニジン(Actinidine)がある。これはキウイフルーツと同じマタタビ科のマタタビにも含まれ、マタタビラクトンとともにネコ科の動物に強い恍惚反応をもたらす。

脚注

参考文献

  • 鮫島邦彦、崔一信、石下真人、早川忠昭「アクチニジン(キウイフルーツタンパク質分解酵素)による筋肉構成タンパク質の分解」『日本食品工業学会誌』第38巻第9号、日本食品科学工学会、1991年、817-821頁、doi:10.3136/nskkk1962.38.817、ISSN 00290394、NAID 130003967880。 

関連項目

  • パパイン

外部リンク

  • 目武雄, 藤野明, 村井不二男「マタタビ成分の化学的研究(第1~3報) (第1報)有効成分,マタタビラクトンおよびアクチニジンの単離」『日本化學雜誌』第81巻第8号、1960年、1320-1324頁、doi:10.1246/nikkashi1948.81.8_1320。 
  • 西山一朗, 福田哲生, 大田忠親「サルナシおよびシマサルナシ果汁におけるアクチニジン濃度とプロテアーゼ活性の品種間差異」『園芸学会雑誌』第73巻第2号、園芸学会、2004年、157-162頁、doi:10.2503/jjshs.73.157、ISSN 00137626。 
  • Kamphuis, I.G., Drenth, J. and Baker, E.N. (1985). “Thiol proteases. Comparative studies based on the high-resolution structures of papain and actinidin, and on amino acid sequence information for cathepsins B and H, and stem bromelain”. J. Mol. Biol. 182: 317-329. doi:10.1016/0022-2836(85)90348-1. PMID 3889350. 

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