イギリス国鉄7形(BR Standard Class 7)は、イギリス国鉄が製造したテンダー式旅客用蒸気機関車。初号機の名から「ブリタニアクラス」とも呼ばれる。軸配置はパシフィック(4-6-2あるいは2C1)。

概要

イギリス国鉄が1948年に大手私鉄4社を統合する形で発足した際、私鉄時代に製造された雑多な旧型機を国鉄型標準機関車に置き換えることとなり、その第1弾として本形式が製造されることとなった。

4大私鉄時代の高性能旅客機関車が3シリンダーや4シリンダーを採用していたのに対し、本機は保守の容易さと費用の削減を狙ってあえて2シリンダーとした。また、初期投資が上がってまでもその後のランニングコスト低減と稼働率向上を考慮し、全軸ローラーベアリングを採用した。さらにイギリスの蒸気機関車としては珍しく、配管や部品を外部に露出させている。

1951年1月から1954年9月にかけて55両がクルー工場で製造された。

なお、本機を3シリンダーにしたのが標準型の8形「デューク・オブ・グロスター」である。また、イギリス国鉄最後の新製蒸気機関車となった9F形のボイラーは、本機のものと同じボイラーを採用している。 他の国鉄型標準機関車と同様に旧大手私鉄4社から批判されないよう設計されていたが、それでも欠陥がいくつも現れたという批評が存在する。ピストンやロッドが走行中に破損する事故が起きるなど細部の設計の甘さを露呈しており、死点で停止してしまうと他の機関車に助けてもらう必要があった。

イギリス国鉄自体の動力近代化のあおりを受け、1968年8月の70013号機「イギリス国鉄 7形蒸気機関車70013号機 オリバー・クロムウェル(英語: BR Standard Class 7 70013 Oliver Cromwell)」を最後に全車廃車となった。

保存

廃車後、トップナンバーの70000号機「ブリタニア」および70013号機「オリバー・クロムウェル」の2両が保存され、どちらも動態保存となっている。

脚注

注釈

出典

参考資料

  • 久保田博『蒸気機関車のすべて』グランプリ出版、1999年。ISBN 978-4-87687-201-5。 
  • 齋藤晃『蒸気機関車200年史』NTT出版、2007年。ISBN 978-4-7571-4151-3。 
  • Peter Herring (2000), Classic British Steam Locomotives, Abbeydale Press, ISBN 978-1861470577 

外部リンク

  • ウィキメディア・コモンズには、イギリス国鉄7形蒸気機関車に関するカテゴリがあります。

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